住宅街の一角にやさしく浮かび上がる提灯の明かり。
のれんをくぐり、ひとり、またひとりとお店に吸い込まれていくこちらは、お酒と小料理を楽しめる「よたた」。

店名「よたた」には、“一晩中、夜通し”という意味があるそうで、「楽しく飲んでいただきたい」という想いが込められています。

店内に足を踏み入れると、まず目を引くのはカウンターテーブルに並ぶ、日替わりのおばんざい。常連客が心待ちにしているという料理はすべて店主・絵理さんの手作りです。
和洋中を織り交ぜた飽きのこない内容で約15種類が常時用意されています。

酒の肴にしたい好みの一品を伝えると、小皿に絵理さんがそっとよそってくれるスタイル。
一品300円〜と手頃な価格設定でもてなしてくれますよ。

この日は照り焼きチキン、やげん軟骨、新玉ねぎの豚バラ巻き、春菊とツナ合え、明太子ポテトグラタンなど。
ひき肉と豆腐、たっぷりの玉ねぎで作ったという、ふっくら柔らかいハンバーグやカツオ出汁でコトコトと飴色のなるまで煮込んだという豚バラ大根など、お酒と好相性な品々ばかり。

どれも酒盃がすすむ味に仕立てられ、胃袋をガッチリ掴まれる美味しさです。

カウンター5席と小上がりのこぢんまりとした店内は、まるで我が家にいるような、そんな気持ちにさせてくれる雰囲気。近所にあったら足繁く通ってしまうに違いない心地よさ。

「おひとりで気軽に訪れる方も多いですよ」とカウンター越しに絵理さん。

たまたま居合わせたお客さん同士が意気投合し2軒目に、なんてことも。

さあ、今夜は「よたた」で一献。
ここで呑むべし、食べるべし。