- かう
- うきは市
- 吉井町
- 器
- 李椿窯
- 自家製酵母パン
- 李椿
李朝白磁に魅せられて 陶芸家・高木剛さんが繰り広げるうきはの「李椿窯」
月に数日だけ、白壁通りにひっそりオープンする「李椿(リチュン)」。陶芸家・高木剛さんのギャラリー(展示室)だ。吸い込まれるように扉を開ければ、素朴な風合いが心地よい空間。小さなガレージを改装したという店内には、彼の穏やかな人柄が滲み出た数十点の器が展示されている。
鹿児島県出身の高木さんは、高校卒業後、東京で働いていたギャラリーで、山梨県の陶芸家の作品に魅せられ弟子入り。約3年の厳しい修業を経て独立した。
東京や京都で作陶したのち、縁があってうきは市に移住。現在は、うきはの山の窯場に薪窯と灯油窯を構え「揺らぎ、柔らかさ、繊細さを表現したい」と、足で蹴って回す「蹴ろくろ」で作陶している。
韓国の古陶磁が好きな高木さんは、李朝の焼物に惹かれ、現地で学びを深めたそう。実際に「李朝白磁」が生まれた土地の風土に触れ、陶工たちの技術を目の当たりにした貴重な経験は、その後の高木さんの作陶に大きな影響を及ぼしたという。現地で習得した技術を自分のフィルターに落とし込み、新たな作品を生み出す日々。
それが、代表作「高台皿」や粉引(こひき)技法を用いた器に現れている。
「作り手の心が映し出される器。だから信じている生き方や自分の気持ちに正直に向き合い、いつわりのない作品を作っていきたい」
日常使いできるシンプルな作品には、そういった高木さんの想いが込められている。
ギャラリーでは、奥様・瑞枝さんが小麦やライ麦から酵母をおこして手作りする、自家製酵母パン(カンパーニュなど)の販売も。
手にする人の心を和ませてくれる器「李椿窯」との出会い。
小さなギャラリーの次の開催日を心待ちにしたい。
- 駐車場:無
- クレジットカード:不可
- 電子マネー:不可
※掲載内容は公開時の情報です。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
近くのおすすめスポット
-
以久波別邸 虎屋
泊まれる100年古民家「町家宿 以久波(いくは)」の別邸としてオープンした「虎屋」。
「筑後吉井重要伝統的建造物群保存地区」の一角にあり、そばには心地良い水音が響く災除川が流れている。明治3(1870)年に建てられ、大正・昭和・平成・令和と移り行く時代を重ねる白漆喰の建物が風趣を醸す。国道から少し離れたこの界隈は、町の喧騒を避けて過ごすにはうってつけの場所。
- 営業時間
- 8:00〜20:00、【チェックイン】15:00~18:00、【チェックアウト】10:00
- 定休日
- 年中無休
-
庵鈴亭
大分『吉野鶏めし保存会』の味を継承する「豊ご屋(ぶんごや)」が営む「庵鈴亭(あれてい)」では、うきはの食材や鶏めしをメインにした御膳料理などが堪能できます。
「筑後吉井重要伝統的建造物群保存地区」の一角、築150有余年の時間を重ねた町家宿「虎屋」内にあり、中に入れば敷居の高さなどを感じさせない、長居したくなる心地良さ。
靴を脱ぎ、奥の座敷へとアテンドされると、そこは大正ロマンを感じる和モダンな空間が。優美な雰囲気を醸し出す、落ち着いた店内に腰を下ろし、庭の草木を愛でながら食事を楽しむことができます。
郷土の味として受け継がれてきた大分・吉野鶏めしは、昔から地域に伝わるおふくろの味。ごぼうと親鶏を使って炊き上げられる素朴な味と、噛みしめるごとに広がる旨味が秀逸で、漫画「美味しんぼ」第71巻(日本全県巡り大分編)にも登場したほど。その美味しさはあまねく知れ渡っています。
人気のメニューは、偶然にも大分の鶏めしとうきはの卵が出会って生まれた「とりめし卵かけ御膳」。酵素をエサに加え、平飼いでのびのびと育った酵の鶏(こうのとり)の卵が使われています。
鶏めしの上に美しいレモン色の黄身を乗せて崩しながら食すもよし、あらかじめかき混ぜてから鶏めしにかけるもよし。
卵が鶏の旨味をまろやかに包み込んでくれるやさしい味わいに悶絶。お好みで卓上にある「あごだし醤油」をかければ、さらに美味しい。
写真は、おにぎりに4種の具材が添えられ、有明海苔を自分で巻いて味わう「庵鈴亭御膳」。お茶とサツマイモを食べて育った、鹿児島茶美豚(チャーミートン)に麦味噌を合わせた「豚みそ」や、柿酢と巨峰酢を隠し味に加えた生姜と、煎った鰹節を和えた「生姜おかか」、発酵させた米糀と唐辛子を練り合わせた「甘唐がらしの佃煮」、さらには博多明太子といったラインナップで楽しめる。
一つひとつ握られたおにぎりの形に思わずにっこり、味わいにほっこり。
減農薬で育てられたうきは・千年米が使用され、粒立ちの良い食感と甘みが、具材の味をさらに引き立てる美味しさです。
鰹節やいりこ、昆布で丁寧に出汁を引いて作る、うきはの旬の野菜がたっぷり入った味噌汁も滋味深き味。
「ここ庵鈴亭でしか味わえない出来立て料理と共に、お客様には穏やかな時間を過ごしていただきたい」と店長・佐藤なるみさんは語ります。
食事のほか、お抹茶や挽きたて豆で淹れる珈琲の「和菓子セット」など喫茶メニューもあり、吉野鶏めしはお持ち帰り・テイクアウトも可能!鶏天など手作りのお惣菜が入った日替わり弁当やおにぎりも大好評!
「大分・吉野鶏めしとうきはの食材で、新たな食のストーリーを紡いでいきたい」
今日も「庵鈴亭」には、温もりの味を求めて、お客さんが一人、また一人と訪れています。- 営業時間
- 【レストラン】10:30~18:00(夜は要予約)【雑貨】9:00~17:00
- 定休日
- 火曜・水曜(不定休あり)
-
ひた屋福富
「ひた屋福富」には「丸ぼうろ」「毛槍(けやり)」をはじめ、小豆をじっくり練り上げて作った最中「筑後早乙女」など、50年以上に渡ってロングセラーを誇る和菓子がある。
なかでも情報誌で取り上げられたという「葛ようかん」は、全国各地からお取り寄せ注文が多く、今やこの店の看板商品。朝倉産秋月本葛と自家製餡の小豆こしあんを、二層に流し合わせた目見麗しいフォルムが特徴。
舌触りが滑らかで跳ねるような弾力。しかも甘さ控えめに作られた上質なこしあんが、口の中でスーッと消えていく後口の良さ。その優しい味わいに心がほどけていくよう♪
“真心のこもったお菓子づくり、心に残るおいしいお菓子を”
明治22年に大分県日田市で創業。
2代目が昭和22年にうきは市吉井町に「かすてらの日田屋」として店を開き、その後「和菓子処ひた屋福富」と改名。現在4代目・後藤旭さんに引き継がれています。
味に一番敏感なのはお客様ということで、使用する材料は一切妥協しない。食べてくださるお客様を思い浮かべながら真心を込めて作る、これが「ひた屋福富」の和菓子作りの原点だ。
店奥の小さな工場には、長年使用し続けている年期の入った練り機が現役で動いている。一般的に餡は製餡業者から加工品を仕入れて使う場合が多いと聞くが、ここでは和菓子の命ともいえる「あんこ」を一から作っている。
渋きり、水さらし等あく抜きを念入りに行い、炊き上げ後は香りを損なわないよう、手早く練り上げて完成させるそう。
「手間が掛かろうとも納得のいくものを自ら作る。それでこそ良いものが出来る」と後藤さんは言う。
現在、和菓子職人の道を歩みはじめた4代目(息子さん)も加わり、次の世代へとバトンが繋がった老舗和菓子店。
世代を超えて受け継がれる味と想いは、今日も客人の心を魅了してやまない。- 営業時間
- 9:00~18:00 (茶房は10:00~17:00)
- 定休日
- 水曜、第2・4火曜
-
ぱんのもっか
パンに魅せられたお客さんが入れ替わり立ち替わり訪れる、ここは幸せのパン時間が流れる「ぱんのもっか」。
開店から閉店まで客足が途絶えることがない、うきはで指折りの人気店だ。
パンを焼くいい香りが広がる店内には食パン、ライ麦、ハード、菓子パン、惣菜パン、うきはの季節のフルーツを使ったデニッシュなどが賑やかに並んでいる。
店奥に目を向けると、店主・吉岡亮次さんをはじめ、数名のスタッフがせっせとパンを作っている姿が見え、そのライブ感も楽しい♪
「ぱんのもっか」では、小さなお子様からご年配の方まで安心して召し上がってほしいと、添加物を極力使用せず、必要ないものは施さないそう。
北海道や福岡、佐賀の国産小麦粉を使用するほか、うきは「ゆむたファーム」の卵、さらには野菜やフルーツもできるだけ地場のものを使用しているという。
小麦粉とシンプルな食材で、さまざまな形、味が生み出されるパンの世界。
どれも噛みしめるごとに小麦の香りが膨らみ、その美味しさに引き込まれていくよう。
この味にたどり着くまでの吉岡さんのパン人生とは。
若かりし頃、某大手食品会社の飲食部門に配属され、そこで初めてパン作りを学び、魅力に開眼。
その後、さらに学びを深めるため、地元高知県のパン屋で約10年経験を積む。
そんな中、心が突き動かされた出来事が。
閉店後に大量に売れ残ったパンを廃棄する際、高校生のアルバイトが「こんなことをするためにここに来たんじゃない。私にはできません」と涙を流したそう。確かにそうだな……、と思いつつも、会社という組織の一員だった吉岡さんは、どうすることもできず、そのもどかしさが“独立”という新たなスタートを踏み出させたというわけだ。
その後、福岡県うきは市で独立した店のスタイルは“無くなり次第終了”。吉岡さんらしい、まやかしのない誠実なパン作りだ。
その味はお客さんが列をなして並んでいる姿が物語っている。
「何年経っても変わらない素朴なパンを長〜く作っていきたいですね。そしてパンを通じて、うきはで思い出に残る心地よい接客や空間もご提供できれば」と。
お店の入り口、白壁通り沿いに掲げてある「パン焼けてます」の小さな看板が開店の目印。
ワクワクしながらあれこれ迷うのも楽しいひと時。
トレーとトングを持ち、あなたならどのパンをチョイスしますか?
- 営業時間
- 9:00~18:00(パンがなくなり次第終了)
- 定休日
- 月曜・木曜